無茶は承知で、今夜あなたに突撃します
§5.あなたに出会えてよかった
***
今日の午後も四方さんが事務所に来ていて、先ほど志賀さんと一緒に外に出て行った。
見れば見るほどふたりは親しそうで、視界に入れないほうがいいのに目で追ってしまって、自然と気持ちが落ち込んでいく。
きちんと自分の気持ちを伝えて振られようと決意したものの、志賀さんと話すきっかけが掴めなくてどうしたものかと困っている。
わざわざ呼び出して、「好きです!」って言う?
方法はそれしかないのだけれど、まるで中学生みたいだなと思ったら余計に勇気が出なくなった。
「知鶴ちゃん、眉間にシワが寄ってるよ?」
もうすぐ定時という時間に、隣にいる佐夜子さんからそう指摘された。
どうやら私は今、相当ひどい顔をしていたようだ。
「どうしたの?」
「なんでもないです。四方さんってほんとに綺麗ですよね。志賀さんとお似合いだなぁって考えてました」
「あ! なんだぁ、知鶴ちゃんの好きな人って、志賀くんだったのね」
唐突に図星を指された私は、呼吸をするのも忘れて固まってしまった。
佐夜子さんの顔を凝視してパチパチと瞬きを繰り返している私に対し、彼女はフフフと意味ありげに笑う。
「な、なんで……?」
「さすがに知鶴ちゃんの態度でわかったよ。私を見くびらないでちょうだい」
ドヤ顔をする佐夜子さんに、私は「見くびっていません」とおろおろするばかりだ。
そりゃ、四方さんのことを気にしていると口にすれば、バレるに決まっている。
今日の午後も四方さんが事務所に来ていて、先ほど志賀さんと一緒に外に出て行った。
見れば見るほどふたりは親しそうで、視界に入れないほうがいいのに目で追ってしまって、自然と気持ちが落ち込んでいく。
きちんと自分の気持ちを伝えて振られようと決意したものの、志賀さんと話すきっかけが掴めなくてどうしたものかと困っている。
わざわざ呼び出して、「好きです!」って言う?
方法はそれしかないのだけれど、まるで中学生みたいだなと思ったら余計に勇気が出なくなった。
「知鶴ちゃん、眉間にシワが寄ってるよ?」
もうすぐ定時という時間に、隣にいる佐夜子さんからそう指摘された。
どうやら私は今、相当ひどい顔をしていたようだ。
「どうしたの?」
「なんでもないです。四方さんってほんとに綺麗ですよね。志賀さんとお似合いだなぁって考えてました」
「あ! なんだぁ、知鶴ちゃんの好きな人って、志賀くんだったのね」
唐突に図星を指された私は、呼吸をするのも忘れて固まってしまった。
佐夜子さんの顔を凝視してパチパチと瞬きを繰り返している私に対し、彼女はフフフと意味ありげに笑う。
「な、なんで……?」
「さすがに知鶴ちゃんの態度でわかったよ。私を見くびらないでちょうだい」
ドヤ顔をする佐夜子さんに、私は「見くびっていません」とおろおろするばかりだ。
そりゃ、四方さんのことを気にしていると口にすれば、バレるに決まっている。