愛とは決して○○しないこと


孝太と管理人さんが走ってやってきた。
「岡安さん!部屋に他人が寝てたって?」
ドアは開けっぱなしなので管理人さんが覗くと

「あ、岡安さんの隣の 前山さんじゃないの!
何しとるん!君の部屋ちゃうやん!」

「美代は〜雄太の帰りを待ってたの。
私たち愛しあってるのよ!ねぇ雄太。」

「お兄ちゃん、本当?」

「まさか、同じ会社って言われても知らないよ」

「酷い!」
そこへ警官がやってきた。

「110番通報された方は?」

「はい。私が弟に頼んでしました。」

「どういう事ですか?」

「3月から東京へ出向してて、秋にまた大阪へ戻るんですが、違うマンションへ移るので、引っ越しの荷物をまとめておこうと家族できて部屋の鍵を開けたら、
彼女がベッドから起き上がってきました。」

「空き巣?じゃあないね。でも留守の部屋に勝手に入られてたって事なのかな?」

「はい。管理人さんにも来てもらいましたら、隣りの住人で、私は知らないのですが、同じ会社の女性のようです。」

「ストーカー?」

「美代はストーカーちゃうねん!
雄太の恋人なの〜」

「じゃあ、署に来ていただいて、事情を詳しく聞きましょうかね。」

「お巡りさん、私は弟なのですが弁護士さんを呼んでもいいですよね。」

「構いませんよ」

「署はどちらですか?」

「〇〇警察署です」

「はい。わかりました。
母さん、父さんにも話をして原田先生に来てもらおう。」

「そうね。こんな事になるなんて…みどりちゃん、大丈夫?」

「はい。」

「あんた!アンタが雄太を誘惑した本社総務の上条 みどりね!
コノ〜〜許さない!!!」とみどりに向かってきた。
警官が咄嗟に美代を取り押えた。

「痛いやん!はなせ!はなせ〜〜!」と暴れている。

孝太が「お巡りさん、母さんたちを外に連れて行きます。」

「はい。」と2人がかりで押さえていた。
< 125 / 222 >

この作品をシェア

pagetop