愛とは決して○○しないこと
「ふぅ〜。大変だったなみどりちゃん。
大丈夫かい? 母さん、お茶飲もう。」

「そうね。雄太があんな早口だったから…」

日本茶を3人で飲む。

「みどりちゃん、聞いてもいいかしら…
どうして結婚式を取りやめる事になったの?」

「はい…実家の母と私の披露宴が順調だと電話した時にアチラのお義母さんが2人の結婚に…〜…〜〜

私は心配になって、妹に電話したらアチラのお義母さんにはこんな嫁ならこの先思いやられるとかウチの両親の悪口もいわれたみたいで、この先ずぅーと付き合う嫁ぎ先の家族だし悩んでいました。〜…〜

昨日の父の電話だと、アチラのお義父さんと滉一さんとかなえとウチの父で話し合いをしたそうです。
破談も渋々だけと了承してもらったと。
そしてウチの方で全てのキャンセル料も慰謝料も支払うと決着したらしいです。」

「でもそのお義母さんが逆上したのね。
恐ろしいお義母さんね。」

「わかった。雄太が言うように弁護士をつけた方がいな。
そのお義母さんはごねるだろう。
みどりちゃんはこの後、すぐに出発するのかな?」

「いいえ、着替えなどを準備しますので一旦、マンションへ戻ります。」

「ん。じゃあその間に俺から原田先生に連絡して弁護士さんをみどりちゃんのご実家へ行ってもらうな。
……もしかしたら病院かもしれないかな」

「はい。じゃあ準備してまた来ますね。
お義父さん、お義母さん。
実家の事なのにすみません。」
とみどりは深く頭を下げた。

「みどりちゃん。みどりちゃんの家族は私たちの家族でもあるでしょう?
家族で助け合いましょうよ。ね。」

みどりは涙を流して
「本当にありがとうございます」とまた頭を下げた。

お義母さんがソファーの隣りに座り、
「心配よね。大丈夫だよみどりちゃん」と背中をさすってくれた。
みどりもコクンと頷いた。

「大丈夫?じゃあマンションに戻って支度してらっしゃい。」

「はい。そうします」



その後、弁護士同士の話し合いで

****

かなえの被害届を出さない代わりに式場と旅行費用のキャンセル料は折半。
かなえの顔に傷が残るので破談の慰謝料なし。

かなえは退院後、銀行を退職し自宅療養をしている。

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