愛とは決して○○しないこと
翌日のパリもお天気に恵まれた。

集合場所はオペラ座界隈。
ツアーは私たちも含めて日本人が6名。
私たちの他に年配のご夫婦と女の子2人の3グループ。お互い挨拶をしてから出発。
「ではみなさん。地下鉄で移動しますね。」
ご年配の奥様から
「もしかして…あなた達は新婚旅行かしら?」

「はい。入籍はゴールデンウィークでしたが、仕事の都合でこの時期になってしまったんです。」と雄太が答えた。

「そう。おめでとうございます。」と笑顔の奥様。
後ろにいるご主人もニコニコしていた。

「「ありがとうございます。」」と私たちもお礼をする。

「お2人は何度も海外へいらしてるんですか?」と私が質問すると、

「10年くらい前に、団体ツアーでフランスとドイツに来たんだけど、今回はフランスだけなのよ」

「今日で何日目なんですか?」

「今日で2日目なの。前に来たときはバスからの車窓だったから今日は楽しみなの。」

「そうでしたか。今日は半日ですがよろしくお願いします。」

「こちらこそ、宜しくお願いしますね。」

メトロなので階段も多い。
私と雄太は年配のご夫婦と一緒に歩くことにした。
若い女の子達はガイドさんにいろいろと質問して楽しそう。

凱旋門。エッフェル塔の中の見学。
「中はこんなふうになってるのね。」

「うん。やっぱり車窓だけだとわからないな。
この後、エッフェル塔をバックに写真撮れるところへ歩いていくんだよな?」

「そうみたいよ。今日の写真はコレだね!」

「ああ。写真みて父さんや母さんも旅行したがってるかもなぁ〜」

「ねぇ、2人の結婚記念のお祝いに海外旅行もいいかもね! 
雄太が27歳だからそろそろ結婚30年なんじゃあない?」

「俺より親父が母さんにプレゼントするようにアドバイスする。
だって、母さんの事だからいいホテルにするだろう?俺は無理だから…ハハ。」

「そうだね。ハハ」

パリの観光ツアーも終わった。
ガイドさんにルーブル美術館までのメトロを教えてもらい。
ツアーのみなさんと別れた。
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