愛とは決して○○しないこと
先に上がった私はベッドに入ってガイドブックを見てたのに…眠っていたようだ。
気がついたら真夜中…
いつも私の体に巻きついている雄太の腕や足もなく、雄太もぐっすり眠っていた。
サイドテーブルのほのかなあかり。
雄太がこちらを向いて寝ている。
私は、本当に雄太と結婚して幸せだなぁとしみじみ感じた。
まさか雄太が入社した頃から私を好きだったなんて全然知らなかった。
ごめんね。鈍くて…
智也といつか結婚すると思ってた私だったけど…
雄太は、私や家族を本当に大切に考えてくれて嬉しいし、私も雄太や家族を大切にしたいと思っている。
そして私が本当に言われてみたいと思っていたコトバ…
【愛とは決して後悔しないこと】
私以上に考えて、覚悟してプロポーズしてくれた言葉。
まさか、上条家の長男になる覚悟をしてプロポーズしたなんて…
本当にあなたは心の広い人だね。
きっとこの旅行で赤ちゃんができると思う。
男の子なら 【瑠生】〈るい〉
女の子なら 【璃子】〈りこ〉
どっちかなぁ…
女の子なら【茜】〈あかね〉もいいなぁ。
あのナポリでみた夕陽がキレイだったから。
岡安家なら跡取り息子を1人目に産みたいけど、
女の子ならお義母さんが喜ぶかな。ふふふ。
1年前の私は、今こうしてハネムーンベイビーの事を考えてるなんて想像もしてなかった。
そういえば…
智也とは大学からの付き合いだったけどご両親に彼女って紹介された事もなかったし、
実家へ遊びに行った事もなかった。
今ならわかる気がする。
どうなるかわからない子を親に紹介するなんてきっと出来なかったんだろうなぁ…
7年も付き合ってた智也との別れ方はあまり良くなかった。
だから、智也が本気になる女性と幸せになって欲しい。
きっと今も海外出張に行ってるんだろうな。
私はぐっすり寝てる雄太の頬にそっとキスをして今日は私が雄太を抱きしめて寝た。