愛とは決して○○しないこと

番外編

福田 智也 37歳

福田　智也 (37歳)

10年前、7年間付き合っていた彼女に振られてから特定の彼女を作るのをやめた。

チャラ男で遊び人だった同期の入江の方が、30歳で結婚した。
今では小学生の父親だ。

黒岩さんは5年前に再婚して会社を辞めた。
黒岩さんの奥さんはアメリカ人でアクセサリー雑貨の会社の社長だ。
黒岩さんもその会社を手伝って働いている。

その会社で働かないか？と声をかけられた。


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商社で海外出張ばかりだった俺だったが、
みどりと別れてすぐにカナダ駐在員で5年過ごした。
その時カナダ在住の日本人とも付き合ってみたが、2ヶ月で別れた。
どうやら俺は恋愛向きではないようだ。

32歳で日本に戻ったが心のどこかで、みどりのことを忘れられない自分がいた。

あのみどりへのお土産のネックレスとピアスのセットも、そして慌てて買った婚約指輪も捨てることが出来ずに、実家の俺の机の引き出しにしまってある。

情けねぇ…
でもどうすることもできない俺…

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俺が日本に戻ってきたら黒岩さんが結婚して退職した。

そんな黒岩さんから去年、もし良かったらニューヨークで働かないかと誘いの電話がきた。
今の会社よりもちろん給料は下がるが、日本に居たくない俺はその話しを受けて去年の秋から働き初めた。