愛とは決して○○しないこと
土曜日の9時に改札口で待ち合わせした私と岡安くん。

「おはよう上条。」

「おはよう岡安くん。今日は映画も付き合わせてゴメンね。」

「謝るなよ。俺も自分に欠けている事にチャレンジするつもりだから指南のほどヨロシクな!」

と改札から2人はホームに向かう。

「指南って…ハハ。岡安くんて面白い人!」

「えっ面白い?そんな事今まで言われた事無かったぞ? 俺って面白いの?」

「うん。私は面白い人だと思ったけど?
でも自分に欠けてるってどういうこと?」

「う…ん。笑うなよ…
俺、子供の頃から剣道しててさ…
剣道って上手くなるように稽古も大切なんだけど、克己心とか精神性を重んじて高めるんだよ。
それぞれの個性も勿論あるけど…真面目な人が多いんだよ〜硬派な人?っていうのかなぁ。
ホラ、三田だって柔道やってたから根は真面目ジャン。」

「うん。でもそれは欠点っていうより長所じゃあない?」

「まぁ、人間性からみたら長所だけど…
試合相手の気持ちはわかるけど…
女の子の気持ちは良くわからないんだよなぁ俺。
だから、映画でそこを伸ばしたいんだよ!」

「なるほど…じゃあ彼女に叱られたり?」

「今は彼女はいないけど…
高校生の時から『私の気持ち本当にわからないよね!』っていつも言われてさ、結局振られてる。」

「え?岡安くんが振られるの?」

「ああ…」
そこへ電車がホームに入ってきた。
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