愛とは決して○○しないこと
電車に乗る。
通勤で電車に乗るのとは違い、2人とも吊革につかまり並んだ。 

「改めて並ぶとやっぱり岡安くんは背が高いね」

「ああ。でも気をつけないとおでこをぶつけて痛い思いをするんだぞ。」

くすくすとみどりが笑う。

「不意打ちで突然だからすげぇ痛いんだよ」

みどりはウンウンと頷きながら、イケメンの岡安くんがおでこをぶつけてしゃがみ込んで痛がっている姿を想像してた。

チラッとおでこを見たら、
「今日は大丈夫〜」と岡安くんがふざけた口調で答えた。

***
映画館に到着した。

「へぇ、こんな所に映画館があったんだなぁ」

「うん。私は大学の頃から結構来てるんだよ。
大学の頃のアパートは遠くて大変だったから就職してココへ乗り換え無しのマンションに引っ越ししたの。」

「映画館を中心にして引っ越ししたのかぁ」

チケットを買い。ポップコーンと飲み物を買ってから席に座る。上映まで時間もまだ少しある。
もらったチラシで来週の〈ある○の詩〉を観るか岡安くんに聞いてみた。

「岡安くん。私は来週もココでこの映画を観るつもりだけど、岡安くんはどうする?」

「え、来週もココへ? 
上条は彼氏とデートとかしないのか?
あ、これはセクハラだな。ゴメン」

「ハハ。やっぱり真面目だなぁ。
この前、ちょっとケンカしたから私も1人で考えたり、岡安くんじゃあないけど、いろいろとチャレンジもしたいんだ。へへ」

「彼氏とケンカか…。大丈夫か?話しくらいなら聞くからな。」

「うん。ありがとう」
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