愛とは決して○○しないこと
「まず、明日か来週の週末はみどりの実家へ挨拶する。俺の実家は俺のマンションとみどりのマンションの中間くらいだから、いつでも大丈夫かな?」
「え、明日か来週〜!」
「うん。本当に申し訳ないけどプロジェクトも忙しくなるからさ〜。
ゴールデンウィークに結納して、結婚式は家族だけにしてみどりも佐野と同じジューンブライドにする?」
「ちょっと待って、結婚式を家族だけでもいいけど、式場は?」
「沖縄とかで家族だけの結婚式ってどう?
ハネムーンは、きちんと休暇をとって海外へ連れて行くからね!みどりの行きたい外国へ行こうな」
「ジェットコースターのような結婚をするとなると…
私はどうすれば良いの?」
「まず。今月中に俺のマンションへ引っ越す。
あ、俺の住んでるマンションは俺がオーナーなんだ。だから家賃収入もあるよ」
「マンションのオーナーって1棟丸ごとってこと?」
「うん。だから金に困るような事がないようにしっかり貯めてるよ。
俺はウチの会社の給料だけで生活してるからな!」
「ねぇ、雄太は〈ある○の詩〉のオリバーみたいだね。」
「あんな金持ちボンボンじゃあないって〜俺は」
「で、今月中に引っ越ししてゴールデンウィークに結納して、6月の土日で沖縄で家族だけの結婚式?」
「そう! そして俺が9月で大阪へ戻る時はついて来て欲しいんだ。お願いします。」
「私は8月に退職すれば良いのかなぁ」
「出来れば……結婚したら辞めて欲しいなぁ」
「え、あと2ヶ月だよ?」
「うん。もし嫌じゃなければ専業主婦で…
ウチの母さんから岡安の会社や奥様達のお付き合いの事を学んで欲しいかなぁって…
ゴメン。こんな苦労は嫌だよな……」
「わかった。6月で会社を辞める!
2人の人生の方が大切だもん。」
「ありがとう。本当にありがとう。みどり」
「うん。でも親たちはこの計画についてこれるかな?」
「俺たち2人はオリバーとジェニーのような夫婦を目指して、力を合わせて頑張ろう!」
みどりは大きく頷いた。