愛とは決して○○しないこと
「岡安さん、みどりからも聞いていると思いますが、みどりの妹の かなえは今年の秋に結婚を控えております。」
「はい。聞いてます。
あの、結婚の事なんですが…
みどりさんのご両親と私の両親とも相談しなければならないのですが…」とチラッとみどりを見る雄太。
2人で頷いてから
「私は今、大阪支社勤務で出向で9月までは本社ですが、大阪へみどりさんを妻として連れて帰りたいと思っています。」
「は? 9月…?」
「それで、私とみどりさんで考えたプランは…
今月中に私のマンションへ引っ越。
ゴールデンウィークに結納。
6月のどれかの土日で家族だけの結婚式を沖縄でして入籍。
6月でみどりさんは退職して専業主婦になってもらい、9月末に大阪へ一緒にと思っています。」
みどりもウンウンと頷く。
「え? あと2週間で結納!オイオイちょっと待てそんなに慌てなくてもいいんじゃない?」とお父さん。
「あのね、雄太も今のプロジェクトは6月の後半から休みもないくらい忙しくなるのよ。
だから、彼の健康も考えて早めに一緒になりたいと私は思ったの。
お父さんやお母さんには本当にビックリさせちゃうけど、お願いします。」
「岡安さんのご両親が許して下さるなら許可する」
「お父さん!岡安さんが9月で大阪なら2人が行ったり来たりしてたら、
みどりはあっという間に30歳になっちゃうわよ!
早く結婚して私たちにも孫を抱っこさせてもらいましょうよ。」
「……しかし…ゴールデンウィークに結納って…」
「お父さん、そんな体裁ばっかり気にしてたら娘の幸せが逃げてくわよ?
かなえは、普通の結婚式の段取してるんだから両方体験できていいかもよ?」
「母さん…」
「さすがお母さん!」とみどりは声をかけた。
「お父さん、私は賛成!!
私は母親として、次女のかなえよりやっぱり長女のみどりを先に嫁がせてやりたいと思うの」
「そうだなぁ。せっかくいいご縁があるのに阻止してはいけないな。
岡安さんのご両親が反対されたら、普通の結婚式をしなさい。
でも、賛成されたなら私たちはお前たちに言われた通り動く事にしよう。」
「「ありがとうございます!」」
ニコニコと雄太とみどりは笑顔になった。