愛とは決して○○しないこと
火曜日の朝も同じ電車の私と雄太。
「今日だぞみどり。俺は今日早く帰るから!」

「うん。私は定時だと思う」

「うん。鍵を忘れるなよ〜」

「はい。もう他の鍵と一緒に付けてあるよ」

「結婚指輪はいつ見に行こうか」

「明日は?明日は遅くなりそう?」

「定時だと思うから、終わったら総務に顔出す?」

「ううん。向かいのコーヒーショップで待ってる」

「うん。俺は待たせたりしない!
もし途中で残業とかになったら総務まで行くからな!」

「うん。ありがとう。そうしてくれると嬉しい」

「うん。引っ越し業者も見つけないとな」

「私、木曜日と金曜日休もうかなって、引っ越し業者に見積もり頼んで見てもらわなきゃだし、不動産屋さんに解約の手続きもしたいし」

「そうだな。
あ、母さんからメールで土曜日にみどりのご両親を呼んでウェディングドレスを決めないか?って」

「ウチの両親も?」

「うん。何か父さんと母さんがやっぱり結納で初顔合わせは、みどりのご両親に失礼だから、
顔合わせのお食事会とウエディングドレスを決めようって。
そして結納の相談と結婚式の日のスケジュールを見てもらいたいって。
父さんから電話したみたいだし、新幹線のチケットも送ったらしいぞ。」

「え、お父さんにお金渡さなきゃ。」

「金は大丈夫。一旦父さんたちに立て替えてもらう事にしたんだ。結婚式が終わったら精算する事になってる。」

「かなりかかるでしょう?」

「ハハ。心配しなくてもしっかり俺は貯めてるから大丈夫だよ。

それより俺も金曜日は休むよ。
引っ越し業者もだけど結婚指輪の事もあるし、
役所へ行って婚姻届ももらってこようよ。」

「休んでも大丈夫なの?」

「うん。まだ大丈夫だ。」と笑顔でみどりを見た雄太。みどりも2人の為に休んでくれる雄太を嬉しく思った。
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