愛とは決して○○しないこと

雄太は着替えてから手を洗いに行き、
キッチンへ来てサラダやスプーンを運んでくれた。
カレーをよそって食べる。

雄太がパクッとカレーを食べた。
「美味い。みどりって料理上手なの?」

「え、普通だと思うけど大学時代から自炊はしてたしバイトがお惣菜とお弁当のお店だったから作り方を主婦のみなさんに教えてもらったからかな?
でも今日はドレッシングも市販のものだし…」

「レストランみたいに手作りドレッシングなの?」

「市販のも使うし、気持ちも時間も余裕がある時は手作りするかな」

「俺、みどりを知れば知るほど、好きになってる」

「え?」

「まず、名作映画。俺も凄く感動したから結婚して落ち着いたら、またおすすめ映画に連れて行って欲しい。」

「うん。デートしようね」

「うん!それと家電好きだろ?」

「うん。今日も雄太の最新型洗濯機にニヤニヤしちゃった〜。
洗濯中のドラムの中をずうーと見ていたかったもん。」

「ハハ。あと《ヘンテコ神様》な!
不思議なパワーを持ってるし!」

「それは違うよ! 私ね、あんなふうにふざけてもそれに雄太は付き合ってくれたじゃない?
雄太って真面目だけじゃないんだなって安心したし、私を受け入れてくれたのが嬉しかった。
あの時、私たち大笑いしたの覚えてる?」

「ああ。だって俺に手を合わせて拝んだり、
《ヘンテコ神様》のお告げで出世するとかさ〜
めっちゃ、面白かったもん。」

「私ね、あの時こんなに大笑いしたの久しぶりだって気がついたんだ。
そして雄太との時間が楽しくて嬉しかったの」
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