愛とは決して○○しないこと
「もう…雄太ったら〜」

「あと、親父からは結納の目録も母さんが全部用意したって。
土曜日みどりのご両親を俺とみどりで東京駅でお迎えして、ホテルのブライダルサロンにお連れして欲しいって。
その後、俺らのマンションを見てもらって、
ウチのマンションでお茶しましょうって言ってたよ」

「ウチにも一応、電話しなきゃね。
明日お母さんに昼間電話するね」

「うん。でも俺もお父さんと話ししたいから今しない?」

「そう?」

「ああ、みどりの夫になるんだからその辺はキッチリと挨拶させてもらう。」

「雄太って男らしい考え方でカッコイイ!!」

「やめろよ〜。照れるだろ…」

「ふふふ。じゃあ実家に電話するよ〜」
と、雄太はウチのお父さんにペコペコ電話なのに頭を下げて引っ越しの事や衣装合わせの事を確認しながら話してくれた。
その後、私とも代わったお父さんから

「みどり、岡安さんには言えないがホームページで父さんと母さんも会社を調べさせてもらった。
凄く大きな会社なんだなぁ。
それなのに、雄太くんもあちらのお父さんも腰の低い方たちだし、本当にいいお家にみどりが嫁ぐとわかったぞ。幸せになれ、みどり。」

「うん。ありがとう。忙しくさせて申し訳ないけど宜しくお願いします。」

「ああ。雄太くんにも宜しく伝えてくれ。じゃあ切るぞ。」

「うん。じゃあ土曜日に東京駅の改札口で待ってるね。じゃあね」ピッ!

少し涙目になってるみどりを見て
「どうしたみどり、お父さんさんに怒られた?」

「ううん。お父さんがいいご家族の岡安家のお嫁さんになって良かったなって…」
雄太に抱きついたみどり。

「ウチの方がスゲェ喜んでるんだぞ。
みどりは素直で、心がキレイだって言ってるんだぞ」
雄太もみどりを強く抱きしめた。
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