闇が渦巻く世界の果てで
「───この化け物‼︎我が一族の恥晒しだ‼︎」
───なん、で?
僕は、朝目覚めたら変な力が使えるようになったって、報告しただけなのに…
今までずっと僕に愛情を注いでくれたお母様とお父様は、その日から僕をいない子のように扱った。
そこでようやく、わかった。
使用人も、お母様も、お父様も、僕のことを大切にしていたのは、
"名家の優秀な息子"
だったからだ。
所詮、化け物になった僕は相手にする価値もないんだ。
「酷いよ──────」
耐えられなかった。
折角、10歳の誕生日になったのに、誰も祝ってくれない。
勿論、家のために結婚とか、そういう話も何もないから、婚約者だっていない。
ある程度の同年代の子はもう既に、婚約者はいるのに───
誰も僕を、必要としていないんだ。
壊れてしまえばいいのに
みんな消えてしまえばいいのに‼︎
そんな願いが通じたのか、数年後僕の家族は全員死んだ。
皇帝の宮から帰る途中、雷が落ちたんだとか。
これで、僕は自由なんだ。