闇が渦巻く世界の果てで
カイト
俺とレンの国王の座で記憶を色々消したのもあって、なぜか俺の義兄になっているが、そんなことはどうでもよかった。
的確な判断力に、恐ろしい観察力。
とても優良な人材だった。
ただ、気づけば彼は消えていた。
魔力を一度捨て、人間界に逃げたのだ。
人間で好きな女が出来たとか。
当時カイトと仲が良かったウンランと、たまたま外にいたレンが、子供を連れてきた。
カイトにとても似ている男。
カイトの子供らしく、本人がカイトの記録を見て、自分からこの国で過ごしたくなったらしい。
カイトにはすごく反対されたらしいが、それでも彼はストライアに残った。
名前はユーリ。
彼は誰とでもすぐに仲良くなった。
そして俺はある日、魔力を持たない1人の子供を拾った。
盗みがバレ、殺されかけている所をたまたま見かけたから、気まぐれで助けてみた。
そのことが原因で、たまたまその子供は魔力を使えるようになった。
その力は凄まじい勢いで伸びていき、気づけば王族であるユーリに並ぶ所まで来ていた。
ユーリと仲がよかったそいつ、テンヨウは、ユーリと気まずくなるのが嫌で俺にお願いして一部の魔力を封印した。
そしてテンヨウは、ウンランと共に中国に行くと言い出した。
世界各国にストライアの貴族を置いていた時だったため、俺は快く許可した。