闇が渦巻く世界の果てで
時というのはあっという間にすぎる物だ。

気づけば快斗さんに魔力の使い方を教えてもらってから半年が経っている。

「うん。そろそろ俺が教えられるものは無くなってきたな」

快斗さんのその言葉に呆然とする。

「お前の幼馴染を助けるには、レン達の国に侵入できないと何も出来ない」

快斗さんはそう言うと、僕に大量の高校のパンフレットを渡してくる。

「アイツらが近いうちにゲームで招待しそうな学校達だ。お前が直感で選べ」

「僕にもう一回高校に行けと言うのですか…?」

「それ以外に道があるか?」

快斗さんの正論に、僕は仕方なくパンフレットを広げる。正直、よくわからない。どれもこれもあまりピンとくるものはなかった。最後の一枚を見て、心臓がドクンと高鳴る音がした。

(ここだ……)

なぜそう思ったのかはわからない。ただ、なんとなくここが1番最善な気がした。

「お、決まったか。そしたら転入手続きはしておいてやる。この後は自習でもしておけ」

快斗さんはそう言うと去っていった。転入手続きって、そんな簡単に出来る物なのか…?そんな疑問が思い浮かぶが無視することにする。どうせ何らかの手段で押し通すんだろう。そんなこと、僕が知ったって何も得はない。なら魔力でも鍛えておくべきだ。

そう思い、快斗さんの屋敷の訓練場に行く。

深呼吸をしてから、一人で訓練を始めた。
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