闇が渦巻く世界の果てで

「ようこそ〜‼︎全員お目覚めだから〜このゲームの説明でもしよっかな〜‼︎」

忘れられるわけがない、ユーリさんの声が聞こえる。

「簡単に言えば殺し合いのデスゲーム‼︎グループで協力して、頑張って生き残ってね〜?」

不気味な声でそう言ったユーリさんは、仮面をつけた状態で姿を現す。

「10分後に第1ゲームを始めるよ〜‼︎まずはお馴染みの鬼ごっこから‼︎」

ユーリさんは、昔トールさんがしたような説明を長々と話すと楽しそうに告げた。

「じゃ、みんな逃げていいよ〜」

ユーリさんは最後に高らかと告げる。

「醜くもがけ‼︎雑魚どもが‼︎」

僕は自分のスマホを確認する。グループは、りんちゃん、恭、かりんちゃん、仁、そして僕の5人だった。4人の身体能力は知らないが、見た感じ低くはなさそうだった。行ける。

「ねぇ…なんであの男こっちにくるの…⁉︎」

かりんちゃんの声でハッとする。ユーリさんが、僕たちの方に歩いてきていた。僕は4人を守るように前にでる。

「なんで君がいるのかな〜?尋くん」

ユーリさんの不気味な声に、寒気がする。

「軽々しくの僕たちの国に足を踏み入れる愚か者…」

今度は後ろから声がする。振り向くと、そこにはレンさんが立っていた。気配が、ない。4人は僕のことを不思議そうに見ていた。

「ユカに会いに来たのかい?尋くん。残念だけど、お断りだよ」

静かに近づいてくるレンさんはそう言うと、おもいっきり僕のことを蹴り飛ばす。

「ッ………」

「尋くんっ‼︎」

痛みで声が出なかった。りんちゃんがヒッと悲鳴を上げる。容赦がなさすぎる。

「折角あの優しいトールが君達2人とも生かしてあげたのに、のこのこやってくるとか、馬鹿すぎでしょ」

レンさんはそう言うと、僕の胸ぐらを無理やり掴み引っ張ってくる。急にレンさんとの距離が近くなった。

「………カイトか」

「え……?」

今の一瞬で、快斗さんの存在がバレた。

「カイトのやり方は全て知っているし、所詮まだ弱すぎる君は僕たちの足元にも及ばない」

レンさんはそう言うと、乱暴に僕の胸ぐらを離し、冷たい瞳で僕を睨む。

「君はトールの優しさに甘えてそのまま暮らすべきだった」

レンさんはそう言うと感情のこもってない目で僕を見る。

「まぁ、もう遅いけど」

レンさんが軽く手をあげると、何人かの男が後ろから無理やり押さえつけてくる。周りの4人もそうだった。動こうとしても、身動きひとつ取れなかった。

「やだ…‼︎なんなのあなた達…‼︎」

かりんちゃんが悲鳴のような声を出して必死に動こうとしている。見ていて、辛くなった。自分のせいだ。自分が巻き込んだ。他の3人も、怯えている。

「女は殺していい。不要だ」

「まてっ……」

レンさんのその言葉に反応する。

「彼女たちは関係ないじゃないですか…殺すのは、酷すぎる」

僕のその言葉に、レンさんはしばらく間を空けてから呟いた。

「………全員ネロに引き渡しといて。そのあとのことは追々考える」

殺すのはやめてくれたらしい。そう思った瞬間、急激に眠気が襲ってくる。僕は目の前が真っ暗になった。
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