「おめでとう」好きだった人。
私まだ何もしてないじゃん。名前も聞いてないじゃん。気持ちも伝えてないじゃん。
それに……
「まだ恋は始まってもないよ……」
決めた。
諦めるんじゃなくてもう少しの恋を頑張ってみよう。たとえ0パーセントの恋だったとしても1パーセントに変わることを願って、この恋を育む。
これは終わりじゃない。
始まりなんだ。
***
「あはは……それでさー」
ある日の昼休み。
ザワザワ騒がしい教室にはあの日、入学式で見たふたりが今、目の前にいる。
入学式から約半年が過ぎ去ろうとしていた。
あの日恋をした私は彼を探すことからはじめた。同じ学年ということはわかっていたけどクラスと名前は知らない。
ましてや話しかけていた女の子も知らない。
そして翌日。
初めての登校日、私は2人を見つけた。まさか同じクラスだとは思わなくて見つけた時は固まったっけ。