「おめでとう」好きだった人。

席も近いということもありふたりと仲良くなるにはそう時間はかからなかった。ふたりは幼なじみらしく、小さい頃からの仲らしい。


お互いに名前を知って、趣味を知って、ふたりのことを知っていくうちに大切な友達になっていた。私の気持ちは相変わらず膨らんでいくばかりだけどまだ気持ちはまだ伝えられていない。


彼はよく笑う、素敵な人だった。


最初は冷たく感じたけどだんだん優しくなって、ますます好きが溢れるばかりだった。



「ねぇ、今日さ放課後遊びに行かない?2人とも、予定あったっけ?」


「あー……今日俺はいいや。ふたりで遊んでこいよ」


「えー!なんでよ。なんか予定あったっけ?」



誘いを断られた彼女はじとっと彼を見る。面白くて、可愛くて笑ってしまったけど同時にズキっと胸が痛む。


だって……彼のことが好きなんだとわかっているから。私だって恋をしてるんだもん。2人の気持ちに気づかないわけない。
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