悪役令嬢ふたりの、のほほん(?)サバイバル暮らし
とんでもない来訪者が来た。アルベルティーヌとパメラは、すぐに屋敷の外へ向かう。ダグラスも後に続いた。
早足で歩きながら、アルベルティーヌは首を傾げた。
「ダグラスの勘違いじゃないかしら……。あの殿下がこんなところに来るとは思えないのだけど……」
「まあ普通は王子殿下がこんな田舎町に来るはずありませんよね。でも、なんだかとてつもなく豪奢な馬車がお屋敷の前に停まっているのですが……、アルベルティーヌさん、あの馬車に見覚えは……?」
「あれは間違いなく王室の馬車ですわよ」
「あらまぁ。これは絶対にダグラスの勘違いではなさそうね」
面倒な事態になった。
見慣れたおんぼろ屋敷の門の前に、見たこともないほどの豪奢な馬車が止まっている。屋敷の門の前には、数人の護衛騎士たちと金髪の身なりの良い青年がたむろしていた。落ち着きなく歩き回る青年はひょろっとしていて、どことなくたよりない糸杉を思わせるシルエットだ。
アルベルティーヌはハッとして足を止めた。
「あ、ああ……。あの方は、確かにロバート殿下……。本当にこんな田舎の村に来られたんだわ!」
「えっ、あの方が!? 意外と普通の人で……ムグッ!?」
パメラは切れ長の目を大きく見開いた。ダグラスが慌ててパメラの口をふさぐ。
「パメラ嬢、気持ちは分かりますが、うっかり殿下に聞こえたら不敬罪ですよ……!」
一介の男爵家出身の令嬢であるパメラにとって、この国の王子は殿上人だ。本来は会うことも許されない相手である。
その殿上人が、一体全体こんな田舎にどうして現れたのだろう?
パメラが好奇心を丸出しにして同居人のアルベルティーヌと王子のロバートを交互に見ていると、ロバートがようやくアルベルティーヌに気づいた。
早足で歩きながら、アルベルティーヌは首を傾げた。
「ダグラスの勘違いじゃないかしら……。あの殿下がこんなところに来るとは思えないのだけど……」
「まあ普通は王子殿下がこんな田舎町に来るはずありませんよね。でも、なんだかとてつもなく豪奢な馬車がお屋敷の前に停まっているのですが……、アルベルティーヌさん、あの馬車に見覚えは……?」
「あれは間違いなく王室の馬車ですわよ」
「あらまぁ。これは絶対にダグラスの勘違いではなさそうね」
面倒な事態になった。
見慣れたおんぼろ屋敷の門の前に、見たこともないほどの豪奢な馬車が止まっている。屋敷の門の前には、数人の護衛騎士たちと金髪の身なりの良い青年がたむろしていた。落ち着きなく歩き回る青年はひょろっとしていて、どことなくたよりない糸杉を思わせるシルエットだ。
アルベルティーヌはハッとして足を止めた。
「あ、ああ……。あの方は、確かにロバート殿下……。本当にこんな田舎の村に来られたんだわ!」
「えっ、あの方が!? 意外と普通の人で……ムグッ!?」
パメラは切れ長の目を大きく見開いた。ダグラスが慌ててパメラの口をふさぐ。
「パメラ嬢、気持ちは分かりますが、うっかり殿下に聞こえたら不敬罪ですよ……!」
一介の男爵家出身の令嬢であるパメラにとって、この国の王子は殿上人だ。本来は会うことも許されない相手である。
その殿上人が、一体全体こんな田舎にどうして現れたのだろう?
パメラが好奇心を丸出しにして同居人のアルベルティーヌと王子のロバートを交互に見ていると、ロバートがようやくアルベルティーヌに気づいた。