悪役令嬢ふたりの、のほほん(?)サバイバル暮らし
そして、二人の悪役令嬢(?)は流刑の地でたまたま運命の出会いを果たした。ふたりは、出会ってすぐに意気投合した。お互いの境遇があまりに似すぎていたため、初対面から「男なんてロクでもない」という話で大盛り上がりしたのである。
『守ってあげたくなる娘が良いですって!? そんな頼りない女性、家を守る女主人としてはいかがなものでしょうッ!』
『その通りですわ! きっちりやり返して何が悪いのです!』
『パメラさんの事件は少しやりすぎだと思いますけれど……』
『オホホ、あれぐらいは些事でしてよ。あら、アルベルティーヌさんのお家は部屋が余ってるのね。それなら一緒に住みましょうよ。見たところ、アルベルティーヌさんって家事ができるタイプだとは思えないし』
という感じで、パメラはかなり強引にアルベルティーヌの屋敷に転がり込んだ。
こうして悪役令嬢ふたりのサバイバル暮らしが始まった。
家事分担はかなり明確で、パメラは主に料理、家事を担当。アルベルティーヌは王妃教育で叩き込まれた刺繍で外貨を稼いでいる。食料調達は、たいてい協力してふたりでやるのがルーティンだ。
最初は慣れない生活に戸惑いつつがむしゃらに働いていたアルベルティーヌとパメラも、1年も経てばずいぶん様になってきた。最近では二人そろって読書をする時間も捻出できるようになってきたほどだ。悪役令嬢は、なかなかに適応能力が高いのである。