私の気持ちを思い知れ
一方で私は、イライラしていた。

なに、あの何事もなかったかのように、普通に生きてるの?

姉を自殺に追いやったくせに、人気を博しているの?

私は彼の何もかもが許せなかった。


「では、終礼は以上となります。

改めて皆さん、入学おめでとうございます!」

教室に戻り、簡単な学校生活の説明が終わると、担任が挨拶を締める。

「ねぇねぇ、さっきの氷室さん、めっちゃイケメンだったよね!!?」

「ほんと、イケメン過ぎた!
声もかなりイケボだから、幸せな時間だったよね~!」

と、私の席から近い女子たちが話をしている。

氷室のことをそんなに褒めるなんて…。

聞いてて吐き気がする。

鞄を手に取り、教室から出ようとする私。

「だってさ~。
氷室蒼真目当てで入学する子多いじゃん?
うちの学校」
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