私の気持ちを思い知れ
ニコッとする彼。
それにイラっとしてしまう私。
私の苦しみを知らずに、こうして笑っておけば女子は誰でもオチルと思っていそう。
「君の名前を…」
「あ!
氷室先輩だよ!」
「本当だ!
何か話しかける?」
2年生の先輩が下駄箱に向かおうとした時、廊下で彼を見つけてテンションが上がる。
しめた!
と思い、私は早々にこの場を去った。
彼は何かを私に言いたそうにしていたが、今日はこれくらいでいいと思った私はこの場を後にした。
氷室…。
さっき私の名前を訊こうとしていた。
もし女子の先輩達が来てなかったら、どう答えれば良かったんだろう。
偽名を答えたとしても、いずれかはバレる。
だから本名を言って、苦し紛れの理由でも言っておくか。
次にまた接触できる機会はあるかな?