私の気持ちを思い知れ
こんなナンパじみたこと、毎日のように言われて飽き飽きしているというのに。
でもさっきの子は、周りの女子たちと違った。
どこかで見たことがある顔立ちだったし、何よりあの子を無視してはいけない気がした。
なぜかはわからない。
俺の本能がそう言っている気がした。
「ねぇ。蒼真さんってば!」
「ああ…。
ごめんね、俺と出かけたいんだっけ?
いいよ、今度の土曜日にでも駅で待ち合わせしようか」
俺が考え事をしていると、なかなか返事をしない俺に彼女は俺に再度呼びかけられる。
名前もよく知らないのに、毎回俺もよく着いて行くよ…。
2年前から1人でいるのが辛くなったから、仕方がない。
それにちょっと優しくするだけで、女子たちからの評価が上がる。