私の気持ちを思い知れ
エピソード2
「あ…」
正門を潜ったその先に、先週金曜日に偶然ぶつかったあの女の子がいた。
発見したのが少し嬉しかったのか、俺は不意に声が漏れた。
「どうしたの?蒼真君。
ああいう子がタイプなの?」
近くにいる女子が俺に訊いてくる。
「違うよ」
「あはは、まぁそうだよね。
何も魅力も無いよね、あんな子。
そんな子が蒼真君のタイプになるわけないか」
と、女子たち2人が嘲笑っている。
なぜかそれに無性に苛ついた。
…何でだろう。
ただ全然知らない女の子が笑われているだけ。
俺が笑われているわけでもないのに。
「じゃあね、蒼真君。
勉強頑張ろうね」
「うん、お互い頑張ろう」
下駄箱に着いた所で、ようやく女子たちと別れられた。
今度はどんな女子たちが話しかけてくれるのだろうか。