私の気持ちを思い知れ
掴んでいた彼女の両肩を離し、俺は彼女と少し距離を取る。
秋月さんは澄ました顔で、俺を見上げる。
前回会った時とだいぶ雰囲気が違う。
俺は色んな女子、いや女達とよく行動を共にする。
化粧の力や、声のトーンを媚びるようにすることで、自分を良いように変えて俺にアピールする女なんて数知れずいる。
それなのに秋月さんは、そんな今まで接してきた女たちと違う。
何も化けずに、元々備わっている自分の力で俺に違う一面で魅せてくる。
そんな彼女に無意識に惹かれていることに、俺はいつ気づくことになるのだろう。
ーー智夏 sideーー
「じゃあな。
連絡待ってるから」
学校の帰り道に、突然氷室から話しかけられた。
話は進み、なぜかお互いの連絡先を交換することになった。