私の気持ちを思い知れ
「智夏。
人を…しめ…たら、ダメ…らね?」
突然姉の声が聞こえづらくなる。
「お姉ちゃん、何て言ったの?
もう一回言って!」
姉に訊き返したつもりだが、今度は彼女が見えづらくなっている。
「お姉ちゃん?どこ?
ねぇ、居なくならないでよ!
もっとたくさん話をしようよ!
お姉ちゃん!ねぇ、お姉ちゃん!!!」
はっと我に返ると、私はベッドの上にだった。
穏やかな心情から一変、無理やり現実に戻された。
先ほどまでは会えなかった姉に会って、幸せだったのに。
「おねえちゃん…」
悲しくてつい声が出る。
自然と涙も一緒に出てきてしまった。
「会いたいよ、お姉ちゃん」
そう力無く言葉を発すると、無情にも携帯の通知音が鳴る。
誰かからメッセージが来たようだ。