私の気持ちを思い知れ
姉の葬式は滞りなく終わった。

棺桶の中で眠る姉は、見覚えのあるいつもの姉の表情だった。

穏やかで優しい笑顔。

それが見れるのはこれで最期なんだと思うと、私は狂ったように姉を見続けていた。

葬式に来てくれた参列者はいつまでも寝ない私に、最初は声をかけてくれていた。

しかし泣きながら姉を見ている私に、次第に気を遣って何も声をかけなくなった。

遺影もいつもと同じ姉。

それなのに何で…。何で急に死んじゃったのか。


何もかも分からない状況で、ただ姉の最期の顔を見て泣き続ける私だった。



母と自宅に戻りお互いが心ここにあらずとなっている。


父親は私が小さい頃に交通事故で亡くなった。

その時も幼いながら心を痛めた。

母も同様。
家事に手を付けられなくなっていた。
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