愛しているから 好きにしろ
大学の時から、可愛くて自分のものにしたくて、それなのに目の前でさらわれた。
今でも思い出すだけで吐き気がする。
一生悔やむかもしれない。
奈由のはじめてを取られたことを。
しかも、奈由がそれを後悔していないと言い切るから余計だ。
ま、それが奈由だ。
相手の男も教師になるくらいだから、気が回る。
しょうがない。
だからこそ、手に入ったときには彼女に最終的にしつこいくらい確認して、テリトリーを自分から出ることのないように鎖で繋いだ。奈由の意思という鎖だ。
俺が鎖で繋いだら逃げたくなる。
自ら鎖に繋いで欲しいと言わせるんだ。
それ以降、俺がすぐに卒業したこともあり、あまりいっしょにいられない日々がすぐに始まった。
だが、最初の鎖は本人が繋いでいることもあり、切れることはなかった。
そして、将来を真剣に考えている彼女を俺の会社のためにすぐに家に入れることも出来なかった。
それがよかったのかどうかは別として、彼女は大きく成長してより魅力的になった。
俺は焦り、そしてどうしたら結婚したいと言ってくれるのか最近はそればかり考えていた。
女々しいったらありゃしない。
俺を昔から知っている榊のような連中は、信じられないと言って呆れていた。
しょうがないだろ。
俺は奈由がいないと死ぬかも知れない。
そんな気が最近してる。
この柔らかい身体を手にするたび、いつまで一緒にいられるだろうとか最近は考える。
本当に、病が深い。笑い事じゃ済まされない。
とにかく、三橋奈由にすることができそうだ。
じいさんとばあさんが元気なウチにひ孫の顔を見せてやりたい。
愛してるよ、奈由。俺の奈由。