愛しているから 好きにしろ
「おばあさま、私、おばあさまみたいになりたいです」
「え?」
おばあさまが不思議そうに私を見てる。
「私の目標はおばあさまです。おばあさまみたいに、可愛いおばあちゃんになりたい。よろしくご指導下さい」
「ふふふ。また、可愛いこと言って。もう、この子はどうしたらいいのかしら……」
「奈由。富美が可愛いのはわしが長年かけてかわいがってきたからじゃ。お前がそうなるかどうかは、達也にかかっとる」
「あなたは、何を言ってるんでしょうか。ずっと好き勝手してきたくせにねえ。家のことも子供のことも、もちろんわたくしのことだって、放っておいたでしょうに。奈由さんの前でえばれるようなこと、何かされましたかしら?」
かわいく、首を横にかしげておじいさまを見るおばあさま。
かわいいよー。おじいさまは、私の手を離して、おばあさまの手を握った。
「富美。お前はずーっと可愛いぞ。わしは、お前に初めて会ったときからお前一筋じゃ。知っておるだろうが」
「……そんなことを言っているのではありません」
「なぜ、怒っておるのだ?」
「……」
「あ、あの。それで、今日はいったい?」
「あ、そうそう。祐子さん」
「はい」