愛しているから 好きにしろ
翌日、またバイトに入った。
今日は、詩乃も一緒。
ふたりで話せるかと思ったけど、そんな暇はなかった。
篠宮さんに仕事を教えてもらい、実践するので精一杯。
「じゃあ、そこ洗い物下処理して食洗機やっといてね。」
うーん。ウエイトレスだけかと思いきや、厨房内の仕事も結構任せられる。
足りない人は補うってことらしい。
すると、後ろの扉から三橋さんが入ってきた。
皆が挨拶している。偉い人みたいだ。あっ、こっち見た。
「お、おはようございます。」
「おう、おはよ。」
篠宮さんが入ってきて、三橋さんへ近づいてきた。
「達也、今日一緒に帰ろうよ。私ラストなんだ。」
「俺は今日9時まで。お前、和樹この後入るだろ?あいつもラストまでじゃないのか?」
「和樹とは終わったの。」
「は?」
何か、話がやばい内容になってきた。
こっちを見るから、聞いてたらまずいのかも知れないと思い、ホールへ出た。
詩乃が寄ってきた。
「ねえ、篠宮さんとお付き合いしている人知ってる?」
「うん。ここのバイトの人だよ。三橋さんと篠宮さんは経済学部、篠宮さんの彼氏の本郷さんは商学部。ヒデと一緒なんだよ。」