愛しているから 好きにしろ
靴も一応パンプスを持ってきた。
アクセサリーも。
本当にこの生活慣れるのかな?出来る気がしない。
着替えて会社を出る。
誰にも会わなくてよかった。
この格好、結構別人級に違うと思うんだよね。
ミツハシフードサービスの本社近くで昼ご飯食べる。お店に入ってから、気のせいかな、なんだかみんながこっち見てるような。
あ、こんな格好で入るような店ではなかったか。
そんなこといってもしょうがないでしょ。
外の看板に出ていた日替わりオムライスホワイトソースをどうしても食べたかったんだから。
そして、出ようとしたところで声をかけられた。
「君、ひとり?」
耳ピアスのお兄さんがテーブルの横に立っている。
カウンターだったのに。
どうして?
「はい。ひとりですけど、もう出ます」
「お買い物とか?一緒に行く?それとも急いでないならお茶でもどう?」
どうして、初対面のあなたとお買い物?何なのかな?
「約束があるので、失礼します」
そういうと、スツールをおりた。
レジでお支払いしていると、横にいる。
「あの?」
無視して、外に出る。
すると、腕を捕まれた。
「ねえ、君可愛いね。よかったら携帯交換しない?」
「……その手を離せ」
低い声がして、振り向くとすごい形相の達也君。
かっこいい。スーツ姿。
久しぶりに見た。