愛しているから 好きにしろ

 靴も一応パンプスを持ってきた。
 アクセサリーも。

 本当にこの生活慣れるのかな?出来る気がしない。


 着替えて会社を出る。
 誰にも会わなくてよかった。
 この格好、結構別人級に違うと思うんだよね。

 ミツハシフードサービスの本社近くで昼ご飯食べる。お店に入ってから、気のせいかな、なんだかみんながこっち見てるような。

 あ、こんな格好で入るような店ではなかったか。

 そんなこといってもしょうがないでしょ。
 外の看板に出ていた日替わりオムライスホワイトソースをどうしても食べたかったんだから。

 そして、出ようとしたところで声をかけられた。
 「君、ひとり?」

 耳ピアスのお兄さんがテーブルの横に立っている。
 カウンターだったのに。
 どうして?

 「はい。ひとりですけど、もう出ます」

 「お買い物とか?一緒に行く?それとも急いでないならお茶でもどう?」

 どうして、初対面のあなたとお買い物?何なのかな?

 「約束があるので、失礼します」

 そういうと、スツールをおりた。

 レジでお支払いしていると、横にいる。

 「あの?」

 無視して、外に出る。
 すると、腕を捕まれた。

 「ねえ、君可愛いね。よかったら携帯交換しない?」



 「……その手を離せ」

 低い声がして、振り向くとすごい形相の達也君。

 かっこいい。スーツ姿。
 久しぶりに見た。

 
 
 
< 123 / 151 >

この作品をシェア

pagetop