愛しているから 好きにしろ
 
 「三橋さん、私には子リスではなく、平野奈由という名前があります。」

 言ってやったぞ、ふんっ。

 「はー、お前ドヤってる時もリスになるんだな。ま、なゆはリスのくせに、えばるなよ。」

 は?どうして呼び捨て?そしてどうしてまだリスなの?

 「お前、今日パン食べてるときも両手でつかんで口の前に持っていって食べてるしさ。まじでリス。しかもちびだし、子リス。」

 「ひどくないですか?その言い方。」

 三橋さんは私の頭を急になでて、手をぎゅっと握ってきた。

 「かわいいっていってんだよ。ちびだし、リスだし。」

 「うそだ。絶対そういう風には思えない。みんな笑ってたし。三橋さんが私のこと子リスって言うから。」

 「そうか?他のやつにも子リスちゃんって呼ばれてるじゃん。かわいがられるきっかけをやった俺を褒めろよ。」

 そうなんだよね。詩乃や篠宮さん以外には子リスちゃんって呼ばれてしまった。

 どうしてくれよう、三橋さん。
 
 「くやしいから、三橋さんのこともあだ名つけようかな?」

 「ほー、いい度胸じゃないか、考えられるものなら考えてみろよ。」
 
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