愛しているから 好きにしろ
ピンポーン♪
玄関から音がする。
詩乃が出られないかも知れないので、代わりにインターフォンの画像を見る。
先輩だ……。
やっぱり来たか。
詩乃が赤ちゃん抱っこしながらこっちを見る。
「やっぱりね。なんか、頭の回線が切れてるよ、チーフ。帰りな、奈由。チーフ心配しすぎておかしくなってる。可哀想だよ」
「……わかった。ごめんね迷惑かけて。また、改めてお詫びに来る。ヒデ君にも謝っておいて」
「はいはい。とにかく、仲直りしなさい。いいわね。みんなに迷惑かけたのわかったでしょ」
詩乃がインターフォンに応答して、私が下に降りると伝えた。
赤ちゃんの頭を撫でてあげると笑ってる。かわいいな。
詩乃が赤ちゃんの手を取ってバイバイと振る。
いいなー、赤ちゃん。私も欲しくなってきた。