愛しているから 好きにしろ

エピローグ

 
【side奈由】 

 喧嘩をして、私達はお互いをより分かることが出来た。

 今まで、喧嘩をしないようにしてきたわけじゃなかったけど、会社での彼を知らなかった私は、これからこの会社の一部となって彼の新たな顔を知ることになるだろう。

 私はいったん、榊ライターズを退社するという選択をした。

 そして、彼の会社ミツハシフードサービスの広報に入りたいと彼に言った。

 最初、結婚したらこの会社の記事は書かなくていいから、好きな記事を書けと言われてきた。

 今回喧嘩してわかったことがある。

 プライベートの彼だけが彼ではない。

 仕事のときの姿も見ていたい。

 そして、それは彼も同様だったのだろうと初めて気づいた。

 私の勤め先を調べたり、会社での交友関係を調べたりしていたのはそういうことだったと。

 公私ともに、そばにいる。

 それが一番いい。

 そして、彼のゆりかごの中に常にいてあげる。

 彼の心の安定のために。そして、私の心の安定のために。

 お屋敷から一緒に会社へ通う。

 そして、常に連絡を取りながら仕事をする。

 遅くなるときは、待っていることもあるし、先に帰ることもある。

 おじいさまやおばあさまも心配だから。

 でも……。
 常に夜は一緒にいる。出張にも付いていく。よほどでない限り。

 ベッドの上で会社のはなしをしたり、家のはなしをしたり、そう。将来のはなしもしたりする。

 話し合って決めていく。

 そして……愛を確認するの。

 

 

 

 

 

 
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