愛しているから 好きにしろ

 昼を食べているときに、気まずくて黙っていたら、晴人がフフっと笑った。

 「なに?」

 「お前、ほんとわかりやすいな。それだから詩乃のいるところでは何もできなかったんだよ。すぐ態度や顔に出る。」

 晴人の顔を見つめると、頬をなでられた。

 「……奈由、付き合わないか?恋人として。お前を守りたい。」

 嘘みたい。
 この間言われたことホントだったんだ。
 なんか、今までの態度を考えると私の勘違いかもと思ったりして、今日もう一度話すまでは考えないようにしていた。

 「……うん。よろしくお願いします。」

 ぺこりと頭を下げる。

 「……お前、なんだよその返事。俺は保護者じゃないぞ、わかってんのか?」

 「恋人兼保護者でしょ。ふふふ。嬉しい。私のこと少しはそういう風に見てくれたんだね。いつも、全否定だったし。」

 「お前こそ、そういうそぶりなかっただろ。俺のことどう思ってんだよ。」

 「え?かっこいい男友達で、自慢できる。私の彼氏には無理レベル。」

 「は?」

 「だから、私に晴人は高嶺の花ってこと。だってモテるじゃん。前のキャンパスでもよく告られたでしょ。」
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