愛しているから 好きにしろ
目を見開いてこちらをじっと見てる。
何?何か変なこと言ったかな?
「……はー。奈由、お前ホントにどこまで馬鹿なんだよ。」
「馬鹿って何よ。」
「お前が告られなかったのは、俺がガードしてたからなの。最近はそれも激しくなってきたから、恋人として守る。」
そんなわけないじゃん。
大学入ってから、誰にも告白されてないもん。
晴人いないところでも。
変なこと言わないで。
帰り道、公園通って帰ろうというので、サクラの花が残っているところを探しながら歩くと、急に木の陰に連れ込まれた。
「奈由」
そういうと、正面から抱きしめられる。
顎をとらえられて、晴人の綺麗な目が近づいてきたと思うと、唇が重なった。
一瞬重なって、私の目を見るとまたキスされて、苦しくなって口を開いた瞬間に舌が入ってきた。
おずおずと舌を絡めたらより深く口づけられて、しばらくそのまま何度も角度を変えてキスをした。
「……好きだ、奈由。俺だけ見てろよ。大丈夫だから。」
返事しないうちに、またキスされた。
「詩乃から聞いたぞ。バイト先の4年生。お前と同じマンションらしいな。いいか、俺だけ見てろよ。」
マンションの前で晴人に釘をさされた。
詩乃から私をかまっているのを聞いたからな、と捨て台詞を残して去って行った。