愛しているから 好きにしろ

 しょうがないなあ、もう。

 側に行くと、また私のほっぺを人差し指でつっつく。

 「まーた、子リスになってるぞ。スマイルって言ってるだろ。ここは接客業。わかったか?」

 「だから、私を怒らせて子リスにしているのは誰ですか、って話ですよ。」

 「え?俺かな?」

 ニヒルに笑って私を見る。
 もう、本当に。
 どうして私をからかって遊んでるんだよ。

 「はい、これ三番テーブル。あと、もうすぐ休憩だろ。特別にパフェさっき作ったときにお前の分も作って冷蔵庫入れておいてやったぞ。」

 「ホントですか?わーい。」

 「ああ、フルーツの端っこがたくさん残ってたからな。端っこパフェだ。」

 「むー。また残り物ですか?」

 なんか、私の賄いだけいつも残り物なんだよね。
 でも、特別に違う材料が入ってる。

 それがまた美味しいの。
 今日は何を入れてくれたのかなー?なんて。期待したりして。

 「今日は帰りにお礼をもらうからな。」

 なんだって?

 「後でな。行ってこい。」

 背中を叩かれて、スパゲッティカルボナーラは三番へ行くのです。


 今日は詩乃カップルがお休みということは、きっとデート。

 連休だし、明日もお休みだから例のお泊まりかもしれない。

 先週、詩乃の買い物に付き合ったんだ。

 可愛い服とか下着とか。奈由は買わないの?と言われて、どうして?と言ったら、晴人のために可愛い下着とか買いなよと言われた。

 想像もしていない発言に、いらないと言ったら可哀想な晴人と言われてしまった。

 
 
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