愛しているから 好きにしろ

 「はい。つい最近から。」 

 「一応聞いておく。あいつに全部やったのか?」

 「……。」

 「真っ赤じゃねえか。首筋まで。許さねえ。」

 どういう意味なの?訳わかんない。

 だから彼氏いるっていったじゃん。

 「お前は渡さねえ。というか、返してもらう。本来俺のものになる予定だったんだからな。」

 「……あの。私はモノではありません。それに、貸したり返したりできません。晴人は私を返したりしないと思います。」

 真面目に答える私を愛しそうに見ているタカヤ先輩。

 もしかして、本当に私が好きなのかな?冗談じゃなくて?

 考えているウチに、腕を引かれて店の裏から外に出る。

 寒い。まだ六月って寒いときあるよね。

 施錠したタカヤ先輩がそんな私を見て、肩を抱き寄せた。

 「寒いのか?」

 「大丈夫です。」

 「暖めてやる。」

 そう言うと、私を抱き寄せてまた顔を近づける。

 
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