愛しているから 好きにしろ
 
 奈由みたいなふわふわした子は、しっかりした晴人がお似合いだと思っていたけど、それ以上にしっかりして男っぽい三橋さんが相手になったら奈由はひとたまりもないかもしれないとふと思った。

 とにかく、奈由のこの不安定な様子は三橋さんが原因の可能性が高い。

 今日、バイトで一緒になるからはっきりするだろう。

 それにしても、予想が当たってたらどうしたらいいんだろう。

 晴人に連絡するのはまずいだろうし。今、実習中だから余計な心配させると彼の迷惑になる。

 そのために、私に頼むって言っていったんだとすると、本当にまずい。


 元気のない奈由をつれて、バイトに行く。

 今日ヒデは非番。かえって良かったよ。

 バイト久しぶりだけど、とにかく今日は奈由の様子を見る日に決めた。


 奈由のシフトを見るとびっくり。

 入りすぎじゃない?どういうこと?

 「奈由、バイト入りすぎじゃない?だから疲れとれないんだよ。断ることを覚えなさいって言ったでしょ。」

 「うん。違うの、連休中人も少なかったし、お客様が多くて上がれなかったりで、結局増えちゃったの。」

 「もう。だからってこれは入りすぎだよ。身体大丈夫?」

 「うん。特に連休中も予定なかったし、予定ある人可哀想だし。」

 はー。あんたは相変わらず天使だよね。あんまり考えてないだろうけど、嘘つく人っているんだよ。

 「とにかく、無理しない。今日は私が代わりにやるから、あんたは少し休んでなさい。周りには適当に言うから。」

 
 
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