愛しているから 好きにしろ
 
 「どうした?子リス具合悪いのか?」

 「……。」

 出た。元凶。

 「原口さん、どうした?」

 「チーフ。平野さん入りすぎじゃないですか?今日も学校で元気なくって。疲れてると思うんです。」


 すると、三橋さんはすぐに奈由を引っ張って腕の中に入れ、おでこに手をやった。

 おいおい近くないか、距離……。

 「うん。確かに少し熱があるかもな。子リス帰れ。」

 「え?」

 「ちょっと待ってろ。」

 そう言うと、オフィス側へ入り、店長と何か話してる。

 すぐに戻ってきて、上着を持つと奈由の手を握る。

 「帰るぞ。」

 「「え?」」

 周りはびっくりしている。
 
 「子リスは熱があるから今日は休み。送ってくるから頼むな。すぐ戻る。店長には言ってある。」

 そう言うと、裏へ引っ張って奈由を連れて行ってしまった。

 どういうこと、これ?

 みんな、あっけにとられている。

 新しく入った新人君が、一言。

 「チーフ。絶対平野さんと付き合ってますよね。」

 え?!

 「どういうこと?」

 私が問い詰めると、他の人はすぐにいなくなった。

 みんな知ってるってこと?

< 37 / 151 >

この作品をシェア

pagetop