愛しているから 好きにしろ
「どうした?子リス具合悪いのか?」
「……。」
出た。元凶。
「原口さん、どうした?」
「チーフ。平野さん入りすぎじゃないですか?今日も学校で元気なくって。疲れてると思うんです。」
すると、三橋さんはすぐに奈由を引っ張って腕の中に入れ、おでこに手をやった。
おいおい近くないか、距離……。
「うん。確かに少し熱があるかもな。子リス帰れ。」
「え?」
「ちょっと待ってろ。」
そう言うと、オフィス側へ入り、店長と何か話してる。
すぐに戻ってきて、上着を持つと奈由の手を握る。
「帰るぞ。」
「「え?」」
周りはびっくりしている。
「子リスは熱があるから今日は休み。送ってくるから頼むな。すぐ戻る。店長には言ってある。」
そう言うと、裏へ引っ張って奈由を連れて行ってしまった。
どういうこと、これ?
みんな、あっけにとられている。
新しく入った新人君が、一言。
「チーフ。絶対平野さんと付き合ってますよね。」
え?!
「どういうこと?」
私が問い詰めると、他の人はすぐにいなくなった。
みんな知ってるってこと?