愛しているから 好きにしろ
「ここ最近ですよ。前はいじめて遊んでるのかと思ってたけど、そうじゃなかったんですね。とにかく、過保護。べったり。甘い言葉吐いてこっちが困るくらい。賄いも隣でべったり。みんな知ってますよ。篠宮さんは諦めかけてるし。」
嘘でしょ。どうしよう。ほんとに?
というか、アレを見たらそうだよね、やっぱり。
わーんどうしよう。
とにかく、今日三橋さんが戻ってきたら聞くしかない。奈由のことも心配だけど。
三橋さんが戻ってきたのは、それから一時間後。
ずいぶんと時間がかかったわね。
部屋に上がり込んだに違いない。心配がまた増えた。
すでに、夕方というより夜に入っていて、忙しくて聞けなかった。
奈由もいないので、人が減ってしまったこともある。
久しぶりで私もいまいち動きが良くなかった。
休憩時間。なんと、三橋さんも休憩していた。チャンス!
「……あの、チーフ。聞いてもいいですか?」
携帯をいじりながら賄いを食べている。視線は携帯にそのまま。
「なに?」
「奈由のことです。あ、平野さんの。」
「子リスのこと?それなら、熱は37度台だったけど、今頃上がってきてるかもね。帰りも見てくるから安心して。」
「……そうじゃなくて。えーと。」
三橋さんははじめて顔を上げて、私を見る。にやりと笑って。
「なんだろう?想像はつくけど。聞きたいことをどうぞ。」