愛しているから 好きにしろ

 「そういうことね。わかったよ。とにかく、俺のペースでやっていくから心配無用。」

 「え?何がわかったんです?」

 「君はアイツの味方なんだろ?今はいないみたいだけどさ。」

 「奈由から聞いているんですよね?付き合いだした同級生がいること。」

 「そうね。いや、彼氏という本人から聞いてますよ。」

 「なら、どうして……奈由が困ることもわかってるでしょ。」

 三橋さんは睨むように私を見た。

 「君の考えは手を取るように分かるけど、少なくとも俺は奈由を自分のものにすることしか考えていない。その他の登場人物は関係ないんだよ。彼女が左手の薬指に何かをつけているなら話は少し違う。だけど、そうじゃない。言ってること分かる?」


 晴人。ごめん。

 この人相手が悪すぎる。

 晴人に存在感がないわけじゃないんだけど、得体の知れない自信が三橋さんを覆っている。

 ただの自信ならいいんだけど、そうじゃない。

 敵に回すなと本能が告げている。

 奈由がああなるのはしょうがない。
 
 変な話私だったとしてもそうなるだろう。

 「……お願いです。奈由を傷つけないでください。あの子は優しい子なんです。そして、頑固で直情的なところもあるから、心配なんです。」
 
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