愛しているから 好きにしろ
「奈由は、ちょっと子供みたいだから、生徒になめられると思うから絶対無理。」
「高校時代にマックでバイトしたことあるから、飲食店ならいけるかも。」
詩乃が猫目を瞬かせながら、頭をなでてくれる。
「うちのバイト先、まだ募集中だから面接受けてみる?」
やったー!彼氏見てみたかった。
「奈由、ヒデと会うために連れて行くんじゃないからね。分かった?」
しゅーん。どうして考えてることばれてるんだろう。
詩乃と晴人もこっちを見て笑っている。
「分かってます、働くため面接に行くんですからね。」
ガッツポーズして決めてみたけど、ふたりは相変わらず笑っている。
校門でバイトに行く晴人と別れて、今日は詩乃に付いていく。
とりあえず、ファミレスに客で入って、様子を見る。
問題なければ、店長に聞いてもらおうという作戦。
「詩乃、バイト先どう?彼氏がいるから楽しい?」
詩乃は呆れた顔をして、私を見る。
「先週から入ってるけど、結構忙しいよ。バイト募集してるくらいだからさ。ヒデとはシフトかぶらないこともあるし。でも、男の子は割といい人いるよ。」
ほー、そうなんだ。都会っぽい朝の人みたいな?
ファミレスに着くと、従業員入り口へ行く詩乃とは分かれて、店の入り口から入る。