愛しているから 好きにしろ
 
 ブーブー。

 携帯のバイブで目を覚ます。

 ブーブー。

 しつこいなー、まだ鳴ってる。

 目をこすりながら、バックを探り、携帯を出す。

 確認するとタカヤ先輩。

 頭来て、切ろうとしたら今度は玄関からドンドンと音がする。


 「子リスー寝てんのか?開けてくれー、おーい。」

 廊下で叫んでるから、声が響いてる。信じらんない。


 「静かにして!」

 「いるじゃねえかよ、開けろほら。」

 ドン、ドン。

 なんなのもう。

 「開けるから静かにしなさい!」

 頭来て一喝する。

 「はーい。」

 タカヤ先輩の猫なで声。

 カチャカチャ。
 ドン、バン!

 勢いよくドアを開けて入ってくる。

 び、びっくりしたー、驚いて玄関で尻餅ついてしまう。

 しゃがみ込んだ先輩が私を抱きしめた。

 「はーよかった。無事だった。ごめんな、さっき。爺さんに紹介できて嬉しくてちょっと理性飛んじゃった。」

 
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