愛しているから 好きにしろ
「あ、これ美味しい。」
お豆腐と枝豆、それに鶏挽肉。
白菜にニンジンなどを鶏スープで煮たもの。
優しい味。
「そうだろ。お前のために作ってきてやったんだぞ。残り物の材料だけどさ。」
「先輩って御曹司だったそうですね?その割に料理とか出来て。不思議な人ですね。」
「……まあ、そうだな。何でも自分でやりたいタイプなんだ。とことんやる。お前のこともとことん極める。」
「……。」
「あいつ。いつ帰ってくるんだ?」
晴人のことだよね?
「多分来週終わり頃だと思います。」
「……奈由。あいつから将来のこと聞かれなかったか?」
え?どうして分かるの?
「聞かれたんだな。あいつも決めなきゃならない時期に入るからな。実習先でも言われているだろう。」
「先輩にさっき言ったのと同じようなこと答えました。」
「ふーん。で?」
「え?」