愛しているから 好きにしろ
「……奈由。どうしても俺のこと許せない?俺、あいつには奈由がいることを言ってある。あいつは記念に抱いてくれって言ったんだ。俺も最終日で酔ってて、理性が飛んでしまった。翌日帰る前に、お前のことを話してキチンと別れてきたんだ。」
晴人。誠意を持って話してくれてるのはわかってる。
だけど、もう私の心のはかりは元に戻らない。
あっちに倒れちゃった。
「晴人。私の将来がどうなるかわからないのに、付き合ってどうするの?私に合わせて教員採用試験受けるの?そんな気ないでしょ。最初から分かっていたはず。だから彼女と関係を持ったんだよね。正直になって。私はもう晴人とは戻れない。」
「奈由。ごめん。ごめんな。お前のこと好きだ。それだけは信じてくれ。」
「分かってる。私もごめんね。晴人のこと好きだったよ。」
食事もしないで、部屋を出た。
晴人は送ると言ってくれたが、どうしてもイヤだからごめんと遮った。
つらそうな彼の表情を見ているだけで、涙が出る。