愛しているから 好きにしろ
 
 私は伸び伸びと毎日過ごして、就活に邁進した。

 電話であそこにしろだの、ここはダメだの、うるさい保護者がいたが、とりあえず秋までには保護者も納得する出版社に内定が決まった。

 そうして、姉が戻ってくるタイミングと就職のタイミングが重なり、会社の近くにマンションを探していたら、またもやうるさい保護者兼彼氏がああでもない、こうでもないと言い出した。

 結局、お屋敷に近いマンションを探してきて、無理矢理契約させられた。

 おじいさまも同居しろとうるさくて。

 それしかなかった。


 そう、詩乃も就職が決まった。

 中堅の商社に内定したのだ。

 すごい。努力のたまもの。

 英検のお陰?いやいや他にも頑張ってたから尊敬する。

 ヒデ君もすでに就職しているけど、親公認で交際が続いている。

 そう遠くないうちに、結婚式呼ばれるんだろうな。


 晴人は。

 教員採用試験に合格して、群馬で中学校の国語の先生になるそうだ。

 すごく勉強したみたい。

 教員採用試験て難しいそうで、私は何も知らなかった。

 彼女失格。

 今は、友達に戻れたと思う。
 
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