愛しているから 好きにしろ
晴人は、公園でブランコに座りながらこちらを見た。
「なんだ?」
「あ、あ、あの同級生さんは受かったの?」
「奈由。俺はあいつとは付き合ってない。受かったらしいというのは知ってるけど。だからといって、任用地が違えば関係はない。」
「ごめんね。先輩と一緒にいるところをいつも見せていて、嫌だったでしょ。私だったら耐えられなかったかも。」
「奈由。あの人が相手だとわかってから、なんとなくすでに負けた気がしてた。お前のせいじゃない。俺が未熟だったんだ。」
「……。」
「この先、あの人に無理矢理何かさせられて、困ることがあったら連絡してこい。必ず助けるから。」
「ありがとう。晴人も何かあれば相談してね。頼りにならないかもしれないけど、聞くくらいはできるよ。」
「あの人に見つからないよう、相談しないとな。」
「そんなことないよ。晴人は、私の友達だもん。」
「奈由、元気でな。」
「晴人も。身体気をつけてね。応援してる。」
最後に、ふたりで握手して別れた。
今でも大好き。
でも前みたいにドキドキはしない。
そういう関係に戻れた。
そして、私達は大学を卒業した。