愛しているから 好きにしろ

 なぜか、おじいさまがとても私をかわいがってくださって、こんな何の取り柄もお金もない娘を先輩の結婚相手として考えてくれているらしく、それはそれは行くといつも歓待してくださる。

 家族のような扱いなので戸惑っている。

 しかも、お婆さまがまたとても素敵な方なのだ。

 なんだかウマが合う。明るくて天然で、でも言うことはキチンという。

 かっこいいのだ。憧れてしまう。お綺麗だし。

 最初、お婆さまに似ていると言われて、お会いしてもどこも似てないと思ったのだが、お話しすると楽しくて、お婆さまも私と話すと楽しそう。

 なんだか、彼よりお婆さまに会いたくてお屋敷に伺う感じ。


 そうそう、彼は、お屋敷から仕事に行っている。

 なんだかんだで、おじいさま達のことも面倒見たり、家のこともあって、大変そう。

 え?私の将来も大変かも知れないって?詩乃にもよく言われるけど、彼は私の人生を生きろと言うし、最終的に彼と一緒になると決めていても、迷いはない。多分なんとかなる。

 だって、頼りがいがあるし、私を尊重してくれる。とても素敵な人。


 最初は子リスとか言われて、馬鹿にされていたのに(本人曰くかわいがっていたというが)付き合うとなったら恐ろしいほどの溺愛ぶりで、かごの中に住むのかなと思ったけど、そうでもない。

 私のやりたいことをやらせてくれるけど、なんか全部把握されてる感じ?つまり、彼の手の上で踊らされてる感がないこともないけど、居心地はそう悪くないんだよね。

 
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